読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

バイヤー・ホーリーのええ物語り

バイヤーの仕事を通して、たくさんの素晴らしいものとの出会いがあります。その商品の持つデザインの由来や素材への拘り、生産地の背景にあるストーリーを独自の視点で伝えていきます。

掃除のベストパートナーはやはり「箒(ほうき)」?

お掃除の必需品、箒(ほうき)。

箒の歴史は古く、遡ること平安時代

当時は宮中で年末に一年の煤を払うすす払いの道具として使われていました。室町時代には、ホウキ売りという職業が誕生し、それから広く使われるようなったと記されています。

時代の変化とともに、掃除機や簡易モップ、最近ではお掃除ロボットなどが普及し、箒は年々使われなくなっています。当然ながら、それらの箒をつくる職人さんも、その変化とともに減少の一途を辿っています。

そうした中でも、箒職人の道を65年以上続けられ、今も尚つくり続けている職人さんがいます。その職人さんのつくる箒を紹介いたします。

 

その職人さんは、新井 克己さん。

昭和4年 墨田区生まれ。昭和23年 江戸川区小岩に移り、先代の父に師事し箒職人へ。平成22年3月9日 江戸川区無形文化財認定される。

 

箒職人は現在では希少であり、都内でも確認できるのは僅か数名と言われています。東京座敷箒商工会組合においては、新井さんを含め2名のみである。 江戸川区内で「新井ほうき店」の2代目を継ぎながら、百貨店・ホテル・江戸川区地域祭等などに出向き実演販売なども行っているそうです。

 

f:id:Pipeline:20160313152625j:plain

 ※新井 克己さんの作業風景

 

その新井さんのつくる箒のひとつで、「座敷ぼうき」があります。

腰を屈めない体勢で掃けるので、 長時間使用するときに向いている長い柄の箒です。その箒にフォーカスして、紹介をしたいと思います。

 

f:id:Pipeline:20160313153211j:plain

 

原料は、近年生産量が減っている希少な千葉産のホウキモロコシを使用。しなやかさがあり、縮れや枝毛が多く細かい部分も掃きやすいのが特徴であるようです。原料となる国産ホウキモロコシ(ほうき草)は、長年培ってきた新井さんの眼で1本1本選別され、力強く編みこまれて仕上げられています。

 f:id:Pipeline:20160313154111j:plain

 

f:id:Pipeline:20160313154136j:plain

 

この箒の長さは、全長で約142㎝あるので、おとなの男性女性を問わず、使い易いサイズです。実際に使用しているイメージは、このような感じになります。

 

f:id:Pipeline:20160313154555j:plain

※モデルの身長:164㎝

(出典:http://item.rakuten.co.jp/edocore/10a005/

 

この箒は、ひとつひとつ丁寧につくり込まれているので、なんと15年間もお使いになれるようです。月間のランニングコストに置き換えると、たった139円です。ちなみに定価は¥24,840(税込)。

それ以外にも、箒を使うメリットをいくつか考えてみました。

・静かである ー 大きな音をたてないので比較的時間帯を気にしなくてもよい
・エコである ー 電気代もかかりません
・自然素材である ー 自然にあるものの組み合わせであれば人にも環境にもやさしい
・用途が広い ー 畳、フローリング、絨毯(種類による)にも使用でき床を傷つけない
・日本的 ー 古くから歴史のある箒は贈答も可 

意外に掃除機をかける音は響くものです。人によっては、日中に時間が取れない方もいらっしゃると思います。箒であれば騒音を気にせずお掃除ができる点は良いですね。

そして、ほうき草の箒は使い込むうちに最初の弾力が消えていきます。そのため、先を少しずつ短く切っていくと最初の弾力がよみがえります。また根元に行くほどに穂先は硬くなるので、最初は座敷、次に板の間、土間、庭と順番に降ろしていくと良いようです。

 

こうして箒の利点を掘り下げてみると、先進技術により開発された物で豊かな時代ではありますが、改めて昔の習わしを見直すことが現代生活でも適していると理解することがあるのだ。と、考える良い機会になりました。

 

温故知新(古きを訪ねて新しきを知る)

この心を忘れずに、新しい商品の出会いを考えていきたいと思います。