バイヤー・ホーリーのええ物語り

バイヤーの仕事を通して、たくさんの素晴らしいものとの出会いがあります。その商品の持つデザインの由来や素材への拘り、生産地の背景にあるストーリーを独自の視点で伝えていきます。

伝統とモダンの融合した江戸切子グラス

江戸切子。今では、多くの人に知られている伝統工芸。

江戸切子とは、江戸末期に江戸(現在の東京)で始まったカットグラス工法のガラス工芸・ガラス細工のこと。

その歴史は古く、1834年に江戸大伝馬町のビードロ屋、加賀屋久兵衛が金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻で模様を施したのが始まりと言われています。

現在では、伝統工芸に認定されているガラス工芸品・地域ブランドの一つでもあり、職人さんやその加工場・工房は、東京都江東区墨田区を中心として江戸川区・葛飾区や大田区、埼玉県の一部など東京東部の周辺で活動しています。

 

今回は、1960年から大田区江戸切子の製造・販売を営む有限会社フォレスト(1992年に旧 東亜硝子工芸株式会社からリニュアールし独立)、そのフォレストがプロデュースする従来の江戸切子のイメージを一新するブランド「蒲田切子」を紹介します。 

伝統的な江戸切子のデザインは、花火や菊の花などの直線的なものをイメージしますが、蒲田切子のデザインは曲線のみのモダンなデザインと伝統技術が融合している点を特徴としています。

その蒲田切子のオリジナルデザインである「水鏡(すいきょう)」。

和・洋問わずに現代のテーブルウェアとコーディネートできるモダンなスタイルだけではなく、手になじむ優しいホールド感は、使い心地もしっかりと考慮されています。

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削り出されたクリア面から覗かせる反対側のデザインは、幻想的な水面を見ているよう。底面近くはスモークの色味がかかっており、グラスとしてのみではなく、インテリアとしての存在感も発揮。

サイズは口径約78mm×高さ約87mmと、普段飲み用としてやビールや焼酎などのお酒を飲むのに適したサイズです。


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次に、小ぶりな「ぐい呑サイズ」。

サイズは、口径約50mm×高さ60mm 約50ccと冷酒やブランデーなどの蒸留酒をストレートで飲むときに最適なサイズです。

こちらは、3種類のデザインパターンがあり、好みに合わせて選べます。

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出典:http://www.glassforest.co.jp/modern.html

それぞれグラスはオリジナルの桐箱に入っており、新築祝いや結婚祝いなどのギフト需要にも対応しています。

この曲線のデザインは、確かな伝統技術があってこそ初めて具現化されています。その証として、「観光庁主催 魅力ある日本のおみやげコンテスト2012」、「LUXURY JAPAN 賞受賞」、「The Wonder 500TM 認定商品」として高く評価されています。

1日の疲れを癒すシメの一杯用グラスとして、特別な日の乾杯グラスとして、またまた、大切なあの人への贈り物として、お勧めする逸品であります。